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接触皮膚炎(かぶれ)は皮膚に接触した物質によって引き起こされる皮膚の炎症です。その物質が接触した部位に一致して限局性,境界明瞭な発疹が惹起されます。
接触皮膚炎の原因となった物質を接触原と呼びます。接触源がもともともっている毒性によって生じる皮膚炎を(一次)刺激性接触皮膚炎と呼びます。刺激性の接触皮膚炎は,その人の体質によらず誰でも生じる反応で,反応の強さは個人の特性よりも,接触原がもっている毒性次第となります。接触から皮膚炎発症までの時間は接触物質により異なりますが,早いものでは数分以内に反応が始まります。
一方,表皮から吸収された物質がアレルゲンとして作用することで生じる接触皮膚炎をアレルギー性接触皮膚炎と呼びます。アレルギー性接触皮膚炎は,ある特定の接触原にアレルギーを起こす体質の人にのみ起こる反応で,どのようなアレルゲンに感作されやすいかには個人差があり,接触原との接触から症状が現れるまでには通常数時間,場合によっては1日以上の時間が必要です。
接触原の毒性で皮膚が損傷を受けて生じる皮膚炎です。かゆみよりもヤケドした時のような痛みを感じることが多く,身の周りの主要な刺激物質として以下のようなものが挙げられます。
アレルギーの原因となる接触原が皮膚に吸収されると,免疫システムはこの物質を外敵として記憶し,次に同じ物質が侵入してきた時に反応する状態を獲得します。この仕組みを「感作」と呼びます。
一度感作されたアレルゲンがふたたび皮膚に接触,吸収されると,リンパ球を主役とした湿疹反応が生じます。アレルギー性接触皮膚炎の原因となるアレルゲンは多種多様ですが,代表的なものとして以下のようなものが挙げられます。
接触原が触れた部位へ紫外線(太陽光線)が作用することで発症する接触皮膚炎があります。紫外線を受けた接触原が毒性を発することで発症する光毒性接触皮膚炎と,紫外線を受けた接触原がアレルギーを生じて発症する光アレルギー性接触皮膚炎があります。
湿布薬のケトプロフェン含有テープ剤が原因で生じる光アレルギー性接触皮膚炎がとても多いです。
接触原となる物質を食べたり,飲んだり,吸い込んだりして,全身の皮膚に発疹を生じるものを全身性接触皮膚炎といいます。
接触原が大量に浸入した結果,極端に強いアレルギー反応を生じると,接触原の吸収された部位を超えて全身に拡大することがあります。
接触原が付着した場所に一致して,境界明瞭な紅斑,丘疹,水疱などの湿疹反応を生じます。俗に言う「かぶれ」の状態で,ほとんどの場合に強いかゆみを伴います。
接触皮膚炎の予防には、原因物質に接触しないことが何よりも大切です。
アレルギー性接触皮膚炎の原因となりやすい接触原には,普段からなるべく触れないように心掛けておくとよいでしょう。
ご自分が過去にかぶれた経験がある接触原にはできる限り接触しないように気を付けて生活しましょう。