江東区東砂の皮膚科|まるやま皮膚科クリニック

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脂漏性皮膚炎

脂漏性皮膚炎とは

脂漏性皮膚炎は、顔面、頭部、腋窩など皮脂の分泌が盛んな部位に生じる皮膚炎です。かゆみは軽症から重症まで患者さんによって程度が大きく異なります。
皮脂の分泌は小児期には少なく、思春期以降から壮年期に活発になります。そのため脂漏性皮膚炎の好発年齢は思春期から壮年期となりますが、乳児期にも一過性に皮脂分泌の盛んな時期があり(生後まもなくから生後数ヶ月くらいまで)、この時期に多発するものを乳児脂漏性皮膚炎と呼んで成人のそれとは区別することがあります。

脂漏性皮膚炎の原因

脂漏性皮膚炎の発症には、皮脂を主たる栄養源とする皮膚常在菌が密接に関わっていると言われ、とりわけ毛包内に常在する真菌:マラセチアの影響が大きいと考えられています。その他に、皮脂の過剰な分泌を促す遺伝的体質、アトピー素因、食生活や嗜好品摂取などの生活習慣、ビタミンB群の不足、不十分な睡眠、精神的ストレスなども発症や症状の悪化に関係しています。

脂漏性皮膚炎の症状

<赤ちゃんの場合>
生後2~4週ごろから頭頂部、前額部、両頬などに赤い発疹とそれに付着する大きなフケや黄色いかさぶたが目立つようになり、悪化すると皮膚のびらんや脱毛を生じてきます。
生後半年くらいまでには治まってしまうことが多いのですが、悪化するままに放置していると重症化してアトピー性皮膚炎に進展していくこともあります。

<成人の場合>
軽症例では、頭のフケが多くなる程度で痒みはさほど強くありません。しかし、悪化するにつれて頭皮が赤くなり、ボツボツとした発疹を生じたり、大きな白い断片となった皮(鱗屑)やカサブタ(痂皮)が生じたりして、痒みも増強してきます。皮膚炎の悪化とともに脱毛を生じて頭髪が薄くなったように感じられることもあります。頭部以外に眉間、頬、耳、腋窩などにもフケのような白い粉の付いた赤い発疹が拡大してきます。

脂漏性皮膚炎の検査と診断

  • 脂漏性皮膚炎は、視診により症状を確認して診断します。診断のための特別な検査は必要ありませんが、患部から表面の皮(鱗屑)を採取して、顕微鏡で観察し、マラセチアの過剰な増殖がないか、確認することがあります。
  • 頭部に生じた尋常性乾癬や接触皮膚炎と鑑別の難しいことがあります。必要に応じて、パッチテストを実施したり、皮膚生検を行ったりして、診断の助けとします。

脂漏性皮膚炎の治療

  • ステロイド外用薬を使って、炎症やかゆみを沈静化させます。
  • マラセチアに効果のある抗真菌剤(ケトコナゾール)の外用も有効です。
  • 殺菌成分が配合された薬用シャンプーも有効なことがあります。
  • 痒みが強い場合には抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬の内服を行うことがあります。
  • 厚く固まったカサブタがある場合には、オリーブオイルを患部に塗布し、30分ほどおいてから石鹸、シャンプーで洗浄してもらいます。
  • 食生活に問題があり、ビタミン欠乏が疑われる場合にはビタミンB群の内服を行うことがあります。

脂漏性皮膚炎の日常生活上の注意

<脂漏性皮膚炎を悪化させる要因>

  • 不十分な洗髪、洗顔
  • 過労
  • 精神的ストレス
  • 睡眠不足
  • 偏った食事
  • 飲酒

<脂漏性皮膚炎を悪化させないための対策>
  • 過剰に分泌された皮脂が蓄積することで症状が悪化しやすくなります。洗顔、洗髪をやさしく丁寧に実施するようにしましょう。洗髪は毎日でもかまいませんが、少なくとも2日に1度は実施するようにして下さい。

  • かゆみが強い場合でも患部を搔くことで症状が悪化しますので、適切な治療によりかゆみを沈静化させるようにしましょう。

  • バランスの取れた食事を取るように心がけてください。特にビタミンB群をしっかり摂取することが大切です。ビタミンB群は豚肉やレバー、ホウレンソウなどに多く含まれていますので、日常の生活に取り入れていただきたいと思います。