江東区東砂の皮膚科|まるやま皮膚科クリニック

MENU
ご連絡先はこちら Tel.03-5632-2077

〒136-0074
東京都江東区東砂7-19-13
ベルコモン南砂301

接触皮膚炎(かぶれ)

接触皮膚炎とは

接触皮膚炎(かぶれ)は皮膚に接触した物質によって引き起こされる皮膚の炎症です。その物質が接触した部位に一致して限局性、境界明瞭な発疹が惹起されます。
接触皮膚炎の原因となった物質を接触原と呼びます。接触源がもともともっている毒性によって生じる皮膚炎を(一次)刺激性接触皮膚炎と呼びます。刺激性の接触皮膚炎は、その人の体質によらず誰でも生じる反応で、反応の強さは個人の特性よりも、接触原がもっている毒性次第となります。接触から皮膚炎発症までの時間は接触物質により異なりますが、早いものでは数分以内に反応が始まります。
一方、表皮から吸収された物質がアレルゲンとして作用することで生じる接触皮膚炎をアレルギー性接触皮膚炎と呼びます。アレルギー性接触皮膚炎は、ある特定の接触原にアレルギーを起こす体質の人にのみ起こる反応で、どのようなアレルゲンに感作されやすいかには個人差があり、接触原との接触から症状が現れるまでには通常数時間、場合によっては1日以上の時間が必要です。

接触皮膚炎の原因

<(一次)刺激性接触皮膚炎>
接触原の毒性で皮膚が損傷を受けて生じる皮膚炎です。かゆみよりもヤケドした時のような痛みを感じることが多く、身の周りの主要な刺激物質として以下のようなものが挙げられます。

  • 酸、アルカリ(業務用洗剤など)
  • 有機溶媒(マニキュア除光液、シンナーなど)
  • 強力な界面活性剤(洗剤など)
  • 野菜などの(ニンニク、玉ねぎなど)

<アレルギー性接触皮膚炎>
アレルギーの原因となる接触原が皮膚に吸収されると、免疫システムはこの物質を外敵として記憶し、次に同じ物質が侵入してきた時に反応する状態を獲得します。この仕組みを「感作」と呼びます。
一度感作されたアレルゲンがふたたび皮膚に接触、吸収されると、リンパ球を主役とした湿疹反応が生じます。アレルギー性接触皮膚炎の原因となるアレルゲンは多種多様ですが、代表的なものとして以下のようなものが挙げられます。

  • 毛染め(ジアミン系)
  • 植物(漆、プリムラなど)
  • 天然ゴム(ラテックス)
  • 金属(指輪、腕時計、ピアスなど)
  • 香料(香粧品、ヘアケア製品、化粧品など)

<光接触皮膚炎>
接触原が触れた部位へ紫外線(太陽光線)が作用することで発症する接触皮膚炎があります。
紫外線を受けた接触原が毒性を発することで発症する光毒性接触皮膚炎と、紫外線を受けた接触原がアレルギーを生じて発症する光アレルギー性接触皮膚炎があります。
湿布薬のケトプロフェン含有テープ剤が原因で生じる光アレルギー性接触皮膚炎がとても多いです。

<全身性接触性皮膚炎>
接触原となる物質を食べたり、飲んだり、吸い込んだりして、全身の皮膚に発疹を生じるものを全身性接触皮膚炎といいます。

<接触皮膚炎症候群>
接触原が大量に浸入した結果、極端に強いアレルギー反応を生じると、接触原の吸収された部位を超えて全身に拡大することがあります。

接触皮膚炎の症状

接触原が付着した場所に一致して、境界明瞭な紅斑、丘疹、水疱などの湿疹反応を生じます。俗に言う「かぶれ」の状態で、ほとんどの場合に強いかゆみを伴います。

接触皮膚炎の検査と診断

  • 接触皮膚炎の診断は、特徴的な病変を確認することで下されることがほとんどですが、大切なことは、患者さんの生活歴を詳しくチェックして、原因となった物質を推定し、今後その接触原との接触を避けられるようにすることです。
  • 接触原を推定したのち、パッチテストを実施して、感作の有無を確認し、診断を確定します。

接触皮膚炎の治療

  • 予防として、原因物質との接触を避けることが最も大切です。
  • 強アルカリなど、きわめて毒性の強い接触原による刺激性接触皮膚炎では、皮膚の深い部分まで破壊され、入院の上、外科的な治療まで必要となる例があります。
    接触原を特定して、各々の接触原にb応じた応急処置を直ちに実施する必要があります。
  • 接触皮膚炎では、ほとんどの場合、ステロイド剤の外用で治療を行います。
    症状が極端に激しい時、全身性接触皮膚炎や接触皮膚炎症候群を生じている時などは、ステロイド剤を短期間内服してもらうこともあります。
  • 激しいかゆみに対処するため、抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬などの痒み止めを内服します。
  • はげしい接触皮膚炎のあとには、日焼けをしたような色素沈着を残すことがあります。炎症が十分沈静化するまで、患部の紫外線防御を徹底することも大切です。

接触皮膚炎の日常生活上の注意

接触皮膚炎の予防には、原因物質に接触しないことが何よりも大切です。
アレルギー性接触皮膚炎の原因となりやすい接触原には、普段からなるべく触れないように心掛けておくとよいでしょう。

<接触性皮膚炎の原因になりやすい物>

  • 毛染め
  • 金属製の装身具
  • ネイル、まつげ美容に使う接着剤
  • ガムテープ、セロテープ、絆創膏
  • 関節や筋肉の痛みに使用する湿布や外用剤

ご自分が過去にかぶれた経験がある接触原にはできる限り接触しないように気を付けて生活しましょう。